道へ道へ、1.5
from:
小川忠太郎『百回稽古』
禅に
「瞋拳(しんけん)笑面を打せず」
という句があるが、これは合掌の精神である。
瞋(いか)って握り拳を固めて赤ちゃんを撲ろうと思っても、赤ちゃんがニコニコ笑っていると、振り上げた拳が下ろせない。
観音経では、相手が斬ろうと思っても、観音ということを念ずれば、刀が折れてしまうとあるが、これは刀が折れるわけではなくて、こちらが本当に慈悲の心になりきっておれば相手も慈悲心を起こして、斬れなくなってしまうということを言っているのである。
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