道へ道へ、1.5
from:
大森曹玄『剣と禅』
ある人が、鉄舟翁に、
「剣術とはどんなものですか」
とたずねたとき、
翁はその人に向かって、
「仕度をして道場に来なさい」
といって、十分に仕度をさせた上で、自分はコヨリを一本もって立ち向かった。
バカにされたと思って少し気色ばんだその人が、
上段から真っ向に打ち下ろそうとするとその瞬間、
翁は手にしたコヨリをヒョイと相手の鼻の穴にさしこんだ。
「どうです、わかりましたか。
剣術とはこういうものです」
といったそうである。
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