2021年3月29日月曜日

平山行蔵と鳥居強右衛門

 

from:

大森曹玄『剣と禅』



かれ(平山行蔵、ひらやま・こうぞう)がまだ修行中の、ある冬の真夜中のことである。


ふと眼を覚ましたかれの脳裏に、昼間読んだ『長篠軍記』の鳥居強右衛門(とりい・すねえもん)が、敵の重囲をのがれ出て味方の苦境を岡崎の本陣に知らせた一節が浮かんできた。



あれがもしこんな晩で、しかも長時間、川の中にもぐり込んでいなければならなかったとすればどうだろう、果たして耐えられたろうか。


そんなことを考えだしたらジッと寝ていられなくなった。さっそく起き出して風呂桶に水を汲み込み、ザブンとばかり飛込んでみた。


身を刺すような冷たさに、さすがのかれも二、三十分でとび出してしまった。


こんなことでは!


と、いろいろ考えた末、こんどは下腹を綿で包んで入ったら、何時間か耐えられたので、これで冬の陣にもさしつかえなしと、やっと安心して眠ったという。



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