2021年3月27日土曜日

「ヒジリ」の稽古

 

from:

小川忠太郎『百回稽古』


相手に打たれるのは

自分の弱点を教えてもらうのだから

有り難いことだ



持田先生は相手から一本打たれると、二度目には決してそこを打たせなかった。


自分の非を教えてもらったのであるから、感謝してその欠点を直して、完全なものに近づいてゆくというのが先生の修行法である。


非を知ることを「ヒジリ」と言う。


漢字で書けば聖と書くのは聖人のことであって、自分の非を知って、その非をなおして完全な人になってゆくのが聖人である。


持田先生は三十歳以後は稽古相手に上がなかった。それにもかかわらず、あそこまで行かれたのは、打たれたところを反省して、「非知り」の稽古をされたから、八十四歳まで停滞することなく進歩されたのである。



単なる攻撃精神は相対なり。

勝負の念がある。

懸待一致は絶対なり。

勝敗の両頭を超越す。


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