2019年11月2日土曜日

【ルビ訓読】無門関 No.3 倶胝竪指 English


第三則 倶胝(ぐてい)竪指(じゅし)

倶胝(ぐてい)和尚(おしょう)(およ)詰問(きつもん)するあれば、(ただ)()()ぐ。
(のち)に、童子(どうじ)あり。
(ちな)みに外人(げにん)()う、「和尚(おしょう)(なん)法要(ほうよう)をか()く」。
童子(どうじ)(また)指頭(しとう)()つ。
(てい)()いて(つい)(やいば)(もっ)()(ゆび)()つ。
童子(どうじ)負痛(ふつう)号哭(ごうこく)して()る。
倶胝(ぐてい)(また)(これ)()す。
童子(どうじ)(こうべ)(めぐ)らす。
(てい)(かえっ)(ゆび)竪起(じゅき)す。
童子(どうじ)忽然(こつねん)として領悟(りょうご)す。
(てい)(まさ)順世(じゅんせ)せんとす。
(しゅ)()って(いわ)く、
()天竜(てんりゅう)(いっ)指頭(しとう)(ぜん)()て、一生(いっしょう)受用(じゅよう)不尽(ふじん)」と()(おわ)って(めつ)(しめ)す。

無門(むもん)(いわ)
倶胝(ぐてい)(なら)びに童子(どうじ)悟処(ごしょ)指頭(しとう)(じょう)()らず。
()者裏(しゃり)(むか)って見得(けんとく)せば、天竜(てんりゅう)(おな)じく倶胝(ぐてい)(なら)びに童子(どうじ)と、一串(いっかん)穿却(せんきゃく)せん。

(じゅ)(いわ)
倶胝(ぐてい)鈍置(どんち)(ろう)天竜(てんりゅう)利刃(りじん)単提(たんてい)して小童(しょうどう)(かん)す。

巨霊(これい)()をもたぐるに多子(たし)()し、分破(ぶんぱ)華山(かざん)千万重(せんまんじゅう)





谷口 雅春『無門關解釋』



Version2】ルビ無し

第三則 倶胝竪指

倶胝和尚、凡そ詰問するあれば、唯一指を挙ぐ。
後に、童子あり。
因みに外人問う、「和尚、何の法要をか説く」。
童子、亦指頭を竪つ。
胝、聞いて遂に刃を以て其の指を断つ。
童子、負痛号哭して去る。
倶胝、復之を召す。
童子、首を廻らす。
胝、却て指を竪起す。
童子、忽然として領悟す。
胝、将に順世せんとす。
衆に謂って曰く、
「吾れ天竜一指頭の禅を得て、一生受用不尽」と言い訖って滅を示す。

無門曰く
倶胝併びに童子の悟処、指頭上に在らず。
若し者裏に向って見得せば、天竜同じく倶胝併びに童子と、一串に穿却せん。

頌に曰く
倶胝、鈍置す老天竜、利刃単提して小童を勘す。
巨霊手をもたぐるに多子無し、分破す華山の千万重。



Version3with English

第三則 倶胝竪指
Case 3 Gutei Raises a Finger

倶胝和尚、凡そ詰問するあれば、唯一指を挙ぐ。
Whenever Gutei Osho was asked about Zen, he simply raised his finger.

後に、童子あり。因みに外人問う、
Once a visitor asked Gutei’s boy attendant,

「和尚、何の法要をか説く」。
“What does your master teach?”

童子、亦指頭を竪つ。
The boy raised his finger.

胝、聞いて遂に刃を以て其の指を断つ。
Hearing of this, Gutei cut off the boy’s finger with a knife

童子、負痛号哭して去る。
The boy, screaming with pain, began to run away.

倶胝、復之を召す。
Gutei Called to him,

童子、首を廻らす。
and when he turned around,

胝、却て指を竪起す。
Gutei raised his finger.

童子、忽然として領悟す。
The boy suddenly became enlightened.

胝、将に順世せんとす。
When Gutei was about to pass away,

衆に謂って曰く、
he said to his assembled monks,

「吾れ天竜一指頭の禅を得て、
“I obtained one-finger Zen from Tenryu

一生受用不尽」と
and used it all my life but still did not exhaust it.”

言い訖って滅を示す。
When he had finished saying this, he entered into eternal Nirvana.

無門曰く
Mumon’s comment

倶胝併びに童子の悟処、指頭上に在らず。
The enlightenment of Gutei and of the boy does not depend on the finger.

若し者裏に向って見得せば、
If you understand this,

天竜同じく倶胝併びに童子と、一串に穿却せん。
Tenryu, Gutei, the boy, and you yourself are all run through with one skewer.

頌に曰く
Mumon’s Verse

倶胝、鈍置す老天竜、
Gutei made a fool of old Tenryu,

利刃単提して小童を勘す。
Emancipating the boy with a single slice,

巨霊手をもたぐるに多子無し、分破す華山の千万重。
Just as Kyorei cleaved Mount Kasan to let the Yellow River run through.



Two Zen Classics: 
The Gateless Gate and The Blue Cliff Records (English Edition)




Version 4Chinese

三 俱胝豎指

俱胝和尚。凡有詰問。唯舉一指。後有童子。因外人問。和尚說何法要。童子亦豎指頭。胝聞。遂以刃斷其指。童子負痛號哭而去。胝復召之。童子回首。胝卻豎起指。童子忽然領悟。胝將順世。謂眾曰。吾得天龍一指頭禪。一生受用不盡。言訖示滅。

無門曰
俱胝並童子悟處。不在指頭上。若向者裡見得。天龍同俱胝並童子。與自己一串穿卻。

頌曰
俱胝鈍置老天龍 利刃單提勘小童

巨靈抬手無多子 分破華山千萬重





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