2019年11月24日日曜日

【原文ルビ訓読】禅林句集 16字 021-035


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16021-035

21[南泉]
即心即仏 如兎有角、
非心非仏 如羊無角。

即心即仏 兎の角有るが如く、
非心非仏 羊の角無きが如し。

即心(そくしん)即仏(そくぶつ) ()(つの)()るが(ごと)く、
非心(ひしん)非仏(ひぶつ) (ひつじ)(つの)()きが(ごと)し。

22[論語]
鳥之将死 其鳴也哀、
人之将死 其言也善。

鳥の将に死なんとするとき其の鳴くや哀し、
人の将に死なんとするとき其の言や善し。

(とり)(まさ)()なんとするとき()()くや(かな)し、
(ひと)(まさ)()なんとするとき()(げん)()し。

23[虚堂9
追大鵬 於藕糸竅中、
納須弥 於蟭螟眼裏。

大鵬の藕糸竅中に追い、
須弥を蟭螟眼裏に納る。

大鵬(たいほう)藕糸(ぐうし)竅中(きょうちゅう)()い、
須弥(しゅみ)蟭螟(しょうめい)眼裏(がんり)()る。

24[法眼]
通玄峰頂 不是人間、
心外無法 満目青山。

通玄峰頂 是れ人間にあらず、
心外無法 満目青山。

通玄(つうげん)峰頂(ほうちょう) ()人間(にんげん)にあらず、
心外(しんげ)無法(むほう) 満目(まんもく)青山(せいざん)

25[論語]
天何言哉 四時行焉、
地何言哉 百物生焉。

天何をか言わんや 四時行われ、
地何をか言わんや 百物生ず。

(てん)(なに)をか()わんや 四時(しいじ)(おこな)われ、
()(なに)をか()わんや (ひゃくもつ)(しょう)ず。

26[碧巌26
天馬駒 日行数千里、
横行竪走 奔馳如飛。

天馬駒は日に行くこと数千里、
横行竪走 奔馳飛ぶが如し。

天馬駒(てんばく)()()くこと数千里(すうせんり)
横行(おうこう)竪走(じゅそう) 奔馳(ほんち)()ぶが(ごと)し。

27[虚堂1
天寒人寒 針頭削鉄、
滴水滴凍 画餅充飢。

天寒人寒 針頭に鉄を削り、
滴水滴凍 画餅 飢に充つ。

天寒(てんかん)人寒(じんかん) 針頭(しんとう)(てつ)(けず)り、
滴水(てきすい)滴凍(てきとう) 画餅(がびょう) (うえ)()つ。

28[詩経]
桃之夭々 其葉蓁々、
之子于帰、宜其家人。

桃の夭々たる 其の葉蓁々たり、
この子于に帰ぐ、其の家人に宜からん。

(もも)夭々(ようよう)たる ()()蓁々(しんしん)たり、
この()(ここ)(とつ)ぐ、()家人(かじん)()からん。

29[大川]
白雲堆裏 不見白雲、
流水声裏 不聞流水。

白雲堆裏 白雲を見ず、
流水声裏 流水を聞かず。

白雲(はくうん)堆裏(たいり) 白雲(はくうん)()ず、
流水(りゅうすい)声裏(せいり) 流水(りゅうすい)()かず。

30[山谷]
万言万当 不如一点、
百戦百勝 不如一忍。

万言万当 一点に如かず、
百戦百勝 一忍に如かず。

万言(ばんげん)万当(ばんとう) 一点(いってん)()かず、
百戦(ひゃくせん)百勝(ひゃくしょう) 一忍(いちにん)()かず。

31[淮南18
非規矩 不能定方円、
非準縄 不能正曲直。

規矩に非ずんば方円を定むること能わず、
準縄に非ずんば曲直を正すこと能わず。

規矩(きく)(あら)ずんば方円(ほうえん)(さだ)むること(あた)わず、
準縄(じゅんじょう)(あら)ずんば曲直(きょくちょく)(ただ)すこと(あた)わず。

32
不萌枝上 金鳳翺翔、
無影樹辺 玉象囲繞。

不萌枝上 金鳳翺翔し、
無影樹辺 玉象囲繞す。

不萌(ふほう)枝上(しじょう) 金鳳(きんぽう)翺翔(こうしょう)し、
無影(むよう)樹辺(じゅへん) 玉象(ぎょくぞう)囲繞(いにょう)す。

33[五祖]
富與貴 是人之所欲、
貧與賤 是人之所悪。

富と貴とは是れ人の欲する所、
貧と賤とは是れ人の悪む所。

()()とは()(ひと)(ほっ)する(ところ)
(ひん)(せん)とは()(ひと)(にく)(ところ)

34[無門9
凡夫若知 即是聖人、
聖人若会 即是凡夫。

凡夫若し知らば即ち是れ聖人、
聖人若し会せば即ち是れ凡夫。

凡夫(ぼんぷ)()()らば(すなわ)()聖人(せいじん)
聖人(せいじん)()()せば(すなわ)()凡夫(ぼんぶ)

35[虚堂2
炉韛之所 鈍鉄猶多、
良医之門 病者愈甚。

炉韛の所 鈍鉄猶多く、
良医の門 病者愈甚し。

(ろはい)(ところ) 鈍鉄(どんてつ)(なお)(おお)く、
良医(りょうい)(もん) 病者(びょうしゃ)(いよいよ)(はなはだ)し。




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