2019年11月19日火曜日

【原文ルビ訓読】禅林句集 16字 011-020


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16011-020

11[論語]
仰之彌高 鑽之彌堅、
瞻之在前 忽焉在後。

之を仰げば彌高く
之を鑽れば彌堅し、
之を瞻て前に在るかとすれば
忽焉として後に在り。

(これ)(あお)げば(いよいよ)(たか)
(これ)()れば(いよいよ)(かた)し、
(これ)()(まえ)()るかとすれば
忽焉(こつねん)として(しりえ)()り。

12[伝灯16
見與師斉 師半徳減、
見過於師 方伝堪授。

見師と斉しうして師の半徳を減ず、
見師に過ぎて方に伝授するに堪えたり。

見師(けんし)(ひと)しうして()半徳(はんとく)(げん)ず、
見師(けんし)()ぎて(まさ)伝授(でんじゅ)するに()えたり。

13[普灯3
姑蘇台畔 不語春秋、
衲僧面前 豈論玄妙。

姑蘇台畔 春秋を語らず、
衲僧面前 豈に玄妙を論ぜんや。

姑蘇(こそ)台畔(だいはん) 春秋(しゅんじゅう)(かた)らず、
衲僧(のうそう)面前(めんぜん) ()玄妙(げんみょう)(ろん)ぜんや。

14[大川]
孤峰頂上 目視雲霄、
古渡頭辺 和泥合水。

孤峰頂上 目に雲霄を視、
古渡頭辺 和泥合水。

孤峰(こほう)頂上(ちょうじょう) ()雲霄(うんしょう)()
古渡(こと)頭辺(とうへん) 和泥(わでい)合水(がっすい)

15[普灯17
孤峰頂上 嘯月眠雲、
大洋海中 翻波走浪。

孤峰頂上 月に嘯き雲に眠る、
大洋海中 波を翻し浪に走る。

孤峰(こほう)頂上(ちょうじょう) (つき)(うそぶ)(くも)(ねむ)る、
大洋(たいよう)海中(かいちゅう) (なみ)(ひるがえ)(なみ)(わし)る。

16[大慧9
高々峰頂 立不露頂、
深々海底 行不湿脚。

高々たる峰頂に立って 頂を露わさず、
深々たる海底に行いて 脚を湿さず。

高々(こうこう)たる峰頂(ほうちょう)()って (いただき)(あら)わさず、
深々(しんしん)たる海底(かいてい)()いて (あし)湿(うるお)さず。

17[伝灯20
実際理地 不立一塵、
仏事門中 不捨一法。

実際理地 一塵を立せず、
仏事門中 一法を捨てず。

実際(じっさい)理地(りち) 一塵(いちじん)(りっ)せず、
仏事(ぶつじ)門中(もんちゅう) 一法(いっぽう)()てず。

18[無門禅箴]
循規守矩 無縄自縛、
縦横無礙 外道魔群。

規に循い矩を守るは無縄自縛、
縦横無礙なるは外道魔群。

()(したが)()(まも)るは無縄(むじょう)自縛(じばく)
縦横(じゅうおう)無礙(むげ)なるは外道(げどう)魔群(まぐん)

19[黄龍]
説妙談玄 太平姦賊、
行棒下喝 乱世英雄。

妙と説き玄を談ず 太平の姦賊、
棒を行じ喝を下す 乱世の英雄。

(みょう)()(げん)(だん)ず 太平(たいへい)姦賊(かんぞく)
(ぼう)(ぎょう)(かつ)(くだ)す 乱世(らんせ)英雄(えいゆう)

20[宝鏡]
潜行密用 如愚如魯、
只能相続 名主中主。

潜行密用は愚の如し魯の如し、
只能く相続するを主中の主と名づく。

潜行(せんこう)密用(みつゆう)()(ごと)()(ごと)し、
(ただ)()相続(そうぞく)するを主中(しゅちゅう)(しゅ)()づく。




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