2019年11月17日日曜日

【原文ルビ訓読】禅林句集 17字以上 011-020


← 【原文ルビ訓読】禅林句集 17字以上 001-010

17字以上 011-020


11[論語]
朝與下大夫言 侃々如也、
與上大夫言 誾々如也。

朝にして下大夫と言うときは侃々如たり、
上大夫と言うときは誾々如たり。

(ちょう)にして下大夫(かたいふ)()うときは侃々(かんかん)(じょ)たり、
上大夫(じょうたいふ)()うときは誾々(ぎんぎん)(じょ)たり。

12[後漢]
呉王 好剣客 百姓 多瘢瘡、
楚王 好細腰 宮中 多餓死。

呉王剣客を好んで百姓瘢瘡多く、
楚王細腰を好んで宮中餓死多し。

呉王(ごおう)剣客(けんかく)(この)んで百姓(ひゃくせい)瘢瘡(はんそう)(おお)く、
楚王(そおう)細腰(さいよう)(この)んで宮中(きゅうちゅう)餓死(がし)(おお)し。

13[全唐]
三日下厨下 洗手 作羹湯、
未諳 姑食性、先使小姑嘗。

三日厨下に下り手を洗って羹湯を作る、
未だ姑の食性を諳んぜず、
先ず小姑をして嘗めしむ。

三日(さんじつ)厨下(ちゅうか)(くだ)()(あら)って羹湯(こうとう)(つく)る、
(いま)()食性(しょくせい)(そら)んぜず、
()小姑(しょうこ)をして()めしむ。

14[淵明]
春水 満四沢、夏雲 多奇峰、
秋月 揚明輝、冬嶺 秀古松。

春水四沢に満ち、夏雲奇峰多し、
秋月明輝を揚げ、冬嶺古松秀ず。

春水(しゅんすい)四沢(したく)()ち、夏雲(かうん)奇峰(きほう)(おお)し、
秋月(しゅうげつ)明輝(めいき)()げ、冬嶺(とうれい)古松(こしょう)(ひい)ず。

15[壇経]
身是 菩提樹、心如 明鏡台、
時々勤払拭、勿使惹塵埃。

身は是れ菩提樹、心は明鏡台の如し、
時々に勤めて払拭して、塵埃を惹かしむること勿れ。

()()菩提樹(ぼだいじゅ)(こころ)明鏡台(めいきょうだい)(ごと)し、
時々(じじ)(つと)めて払拭(ふっしき)して、塵埃(じんあい)()かしむること(なか)れ。

16
折脚鐺 内煎猫頭 煮鴆羽、
曲木牀上 吐狐涎 鳴狼牙。

折脚鐺内猫頭を煎じ鴆羽を煮る、
曲木牀上狐涎を吐き狼牙を鳴らす。

折脚(せっきゃく)鐺内(とうない)猫頭(みょうとう)(せん)鴆羽(ちんう)()る、
曲木(きょくぼく)牀上(しょうじょう)狐涎(こえん)()狼牙(ろうげ)()らす。

17[孟子]
滄浪之水清 可以濯 我纓、
滄浪之水濁 可以濯 我足。

滄浪の水清まば以て我が纓を濯うべし、
滄浪の水濁らば以て我が足を濯うべし。

滄浪(そうろう)(みず)()まば(もっ)()(えい)(あろ)うべし、
滄浪(そうろう)(みず)(にご)らば(もっ)()(あし)(あろ)うべし。

18
朝出 芙蓉基、夕帰 芙蓉基。
宿々ニ三宿、未離 芙蓉基。

朝に芙蓉の基を出で、
夕に芙蓉の基に帰る。
宿々ニ三宿、未だ芙蓉の基を離れず。

(あした)芙蓉(ふよう)(もと)()で、
(ゆうべ)芙蓉(ふよう)(もと)(かえ)る。
宿々(しゅくしゅく)ニ三宿(にさんしゅく)(いま)芙蓉(ふよう)(もと)(はな)れず。

19[五祖]
趙州露刃剣、寒霜光焔々、
更擬問如何、分身作両段。

趙州の露刃剣、寒霜光焔々、
更に如何と問わんと擬すれば、
身を分って両段と作す。

趙州(じょうしゅう)露刃剣(ろじんけん)寒霜(かんそう)(ひかり)焔々(えんえん)
(さら)如何(いかん)()わんと()すれば、
()(わか)って両段(りょうだん)()す。

20[祖英]
徳雲 閑古錐、幾下妙峰頂、
傭他痴聖人、担雪共填井。

徳雲の閑古錐、幾たびか下る妙峰頂、
他の痴聖人を傭って、雪を担って共に井を填む。

徳雲(とくうん)閑古錐(かんこすい)(いく)たびか(くだ)妙峰頂(みょうぶちょう)
()痴聖人(ちせいじん)(やと)って、(ゆき)(にな)って(とも)(せい)(うず)む。




→ 【原文ルビ訓読】禅林句集 17字以上 021-033

0 件のコメント:

コメントを投稿