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21[壇経]
菩提 本無樹、明鏡 亦非台。
本来 無一物、何処 惹塵埃。
菩提本樹無し、明鏡亦台に非ず。
本来無一物、何れの処にか塵埃を惹かん。
菩提本樹無し、明鏡亦台に非ず。
本来無一物、何れの処にか塵埃を惹かん。
22[傳大士]
有物先天地、無形本寂寥、
能為万象主、不逐四時凋。
物有り天地に先だつ、形無うして本寂寥、
能く万象の主と為って、四時を逐うて凋まず。
物有り天地に先だつ、形無うして本寂寥、
能く万象の主と為って、四時を逐うて凋まず。
23[論語]
吾党之直者異於是、
父為子隠、子為父隠、
直在其中矣。
吾が党の直き者は是に異れり、
父は子の為に隠し、子は父の為に隠す、
直きこと其の中に在り。
吾が党の直き者は是に異れり、
父は子の為に隠し、子は父の為に隠す、
直きこと其の中に在り。
24[楽府詩集]
滔々武渓一何深、
鳥飛不渡、獣不能臨、
嗟哉武渓、多毒淫。
滔々たる武渓一に何ぞ深し、
鳥飛んで渡らず、獣も臨むこと能わず、
嗟哉武渓、毒淫多し。
滔々たる武渓一に何ぞ深し、
鳥飛んで渡らず、獣も臨むこと能わず、
嗟哉武渓、毒淫多し。
25[圜悟]
有時 将一茎草 作丈六金身、
有時 将丈六金身 作一茎草。
有る時は一茎草を将って丈六の金身と作し、
有る時は丈六の金身を将って一茎草と作す。
有る時は一茎草を将って丈六の金身と作し、
有る時は丈六の金身を将って一茎草と作す。
26[荘子]
厲之人 夜半 生其子、
遽取火 而視之、
汲々然 唯恐 其似己也。
厲の人夜半其の子を生めり、
遽かに火を取って之を視る、
汲々然として唯其の己に似んことを恐る。
厲の人、夜半其の子を生めり、
遽かに火を取って之を視る、
汲々然として唯其の己に似んことを恐る。
27[論語]
一箪食、一瓢飲、在陋巷、
人不堪其憂、
回也不改其楽、賢哉回也。
一箪の食、一瓢の飲、陋巷に在り、
人其の憂いに堪えず、
回や其の楽しみを改めず、
賢なる哉、回や。
一箪の食、一瓢の飲、陋巷に在り、
人其の憂いに堪えず、
回や其の楽しみを改めず、
賢なる哉、回や。
28
無差別平等 不準仏法、悪平等故
無平等差別 不準仏法、悪差別故。
差別無き平等は仏法に準ぜず
悪平等なるが故に
平等無き差別は仏法に準ぜず
悪差別なるが故に。
差別無き平等は仏法に準ぜず
悪平等なるが故に
平等無き差別は仏法に準ぜず
悪差別なるが故に。
29
山河大地、万象森羅、
醯鶏蠛蝱、草芥人畜
一々放大光明、一々壁立万仞
山河大地、万象森羅、
醯鶏蠛蝱、草芥人畜
一々大光明を放ち、
一々壁立万仞
山河大地、万象森羅、
醯鶏蠛蝱、草芥人畜
一々大光明を放ち、
一々壁立万仞
30[無門一九]
春 有百花、秋 有月、
夏 有涼風、冬 有雪、
若 無閑事 掛心頭、便是 人間好時節。
春に百花有り、秋に月有り、
夏に涼風有り、冬に雪有り、
若し閑事の心頭に掛くる無くんば、
便ち是れ人間の好時節。
春に百花有り、秋に月有り、
夏に涼風有り、冬に雪有り、
若し閑事の心頭に掛くる無くんば、
便ち是れ人間の好時節。
31[法句経]
若人 静坐一須臾、勝造 恒沙七宝塔、
宝塔 畢竟化為塵、一念静心 成正覚。
若し人静坐一須臾せば、
恒沙の七宝塔を造るに勝れり、
宝塔、畢竟化して塵と為るも、
一念の静心、正覚を成ず。
若し人静坐一須臾せば、
恒沙の七宝塔を造るに勝れり、
宝塔、畢竟化して塵と為るも、
一念の静心、正覚を成ず。
32[論語]
暮春者 春服既成、
得 冠者五六人、童子六七人、
浴乎沂 風乎舞雩 詠而帰。
暮春には春服既に成り、
冠者五六人、童子六七人を得て、
沂に浴し舞雩に風じ詠じて帰らん。
暮春には春服既に成り、
冠者五六人、童子六七人を得て、
沂に浴し舞雩に風じ、詠じて帰らん。
33[史記]
力抜山兮、気蓋世、
時不利兮、騅不逝。
騅不逝兮、可奈何、
虞兮虞兮、奈若何。
力山を抜き、気世を蓋う、
時に利あらず、騅逝かず。
騅の逝かざる、奈何がすべき、
虞や虞や、若を奈何せん。
力山を抜き、気世を蓋う、
時に利あらず、騅逝かず。
騅の逝かざる、奈何がすべき、
虞や虞や、若を奈何せん。
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