← 【原文ルビ訓読】禅林句集 14字 011-020
14字 021-030
21
一重山尽 又一重、
語尽山雲 海月情。
一重山尽きて 又一重、
語り尽す山雲 海月の情。
一重山尽きて 又一重、
語り尽す山雲 海月の情。
22[白雲]
一拳拳倒 黄鶴楼、
一踢踢翻 鸚鵡洲。
一拳に拳倒す 黄鶴楼、
一踢に踢翻す 鸚鵡洲。
一拳に拳倒す 黄鶴楼、
一踢に踢翻す 鸚鵡洲。
23[江湖]
一陣西風 吹雨過、
夕陽総在 海棠花。
一陣の西風 雨を吹いて過ぐ、
夕陽は総べて 海棠の花に在り。
一陣の西風 雨を吹いて過ぐ、
夕陽は総べて 海棠の花に在り。
24[楞厳4]
一毫端 現宝王刹、
微塵裏 転大法輪。
一毫端に宝王刹を現じ、
微塵裏に大法輪を転ず。
一毫端に宝王刹を現じ、
微塵裏に大法輪を転ず。
25[会元8]
一粒粟中 蔵世界、
半升鐺内 煮山川。
一粒粟中に世界を蔵し、
半升鐺内に山川を煮る。
一粒粟中に世界を蔵し、
半升鐺内に山川を煮る。
26[無文]
一等共行 山下路、
眼頭各自 見風烟。
一等共に行く山下の路、
眼頭各自に風烟を見る。
一等共に行く山下の路、
眼頭各自に風烟を見る。
27[五祖]
一種是声 無限意、
有 堪聴與不堪聴。
一種是の声 限り無き意、
聴くに堪ゆると聴くに堪えざると有り。
一種是の声 限り無き意、
聴くに堪ゆると聴くに堪えざると有り。
28[臨済]
一与山門 作境致、
ニ与後人 作標榜。
一には山門の与に境致と作し、
ニには後人の与に標榜と作す。
一には山門の与に境致と作し、
ニには後人の与に標榜と作す。
29[白雲]
一箭尋常 落一鵰、
更加一箭 已相饒。
一箭尋常 一鵰を落す、
更に一箭を加えて已に相饒す。
一箭尋常 一鵰を落す、
更に一箭を加えて已に相饒す。
30[玉屑]
一樹春風 有両般、
南枝向暖 北枝寒。
一樹の春風 両般有り、
南枝は暖に向い 北枝は寒。
一樹の春風 両般有り、
南枝は暖に向い 北枝は寒。
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