2019年12月1日日曜日

【原文ルビ訓読】禅林句集 14字 021-030


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14021-030

21
一重山尽 又一重、
語尽山雲 海月情。

一重山尽きて 又一重、
語り尽す山雲 海月の情。

一重(いちじゅう)(やま)()きて (また)一重(いちじゅう)
(かた)(つく)山雲(さんうん) 海月(かいげつ)(じょう)

22[白雲]
一拳拳倒 黄鶴楼、
一踢踢翻 鸚鵡洲。

一拳に拳倒す 黄鶴楼、
一踢に踢翻す 鸚鵡洲。

一拳(いっけん)拳倒(けんとう)す 黄鶴楼(こうかくろう)
(いってき)踢翻(てきほん)す 鸚鵡洲(おうむじゅう)

23[江湖]
一陣西風 吹雨過、
夕陽総在 海棠花。

一陣の西風 雨を吹いて過ぐ、
夕陽は総べて 海棠の花に在り。

一陣(いちじん)西風(せいふう) (あめ)()いて()ぐ、
夕陽(せきよう)()べて 海棠(かいどう)(はな)()り。

24[楞厳4
一毫端 現宝王刹、
微塵裏 転大法輪。

一毫端に宝王刹を現じ、
微塵裏に大法輪を転ず。

一毫端(いちごうたん)宝王刹(ほうおうせつ)(げん)じ、
微塵裏(みじんり)大法輪(だいほうりん)(てん)ず。

25[会元8
一粒粟中 蔵世界、
半升鐺内 煮山川。

一粒粟中に世界を蔵し、
半升鐺内に山川を煮る。

一粒(いちりゅう)粟中(ぞくちゅう)世界(せかい)(ぞう)し、
半升(はんしょう)鐺内(とうない)山川(さんせん)()る。

26[無文]
一等共行 山下路、
眼頭各自 見風烟。

一等共に行く山下の路、
眼頭各自に風烟を見る。

一等(いっとう)(とも)()山下(さんか)(みち)
眼頭(がんとう)各自(かくず)風烟(ふうえん)()る。

27[五祖]
一種是声 無限意、
有 堪聴與不堪聴。

一種是の声 限り無き意、
聴くに堪ゆると聴くに堪えざると有り。

一種(いっしゅ)()(こえ) (かぎ)()()
()くに()ゆると()くに()えざると()り。

28[臨済]
一与山門 作境致、
ニ与後人 作標榜。

一には山門の与に境致と作し、
ニには後人の与に標榜と作す。

(ひとつ)には山門(さんもん)(ため)境致(きょうち)()し、
(ふたつ)には後人(こうじん)(ため)標榜(ひょうぼう)()す。

29[白雲]
一箭尋常 落一鵰、
更加一箭 已相饒。

一箭尋常 一鵰を落す、
更に一箭を加えて已に相饒す。

一箭(いっせん)尋常(よのつね) 一鵰(いっちょう)(おと)す、
(さら)一箭(いっせん)(くわ)えて(すで)(あい)(ゆる)す。

30[玉屑]
一樹春風 有両般、
南枝向暖 北枝寒。

一樹の春風 両般有り、
南枝は暖に向い 北枝は寒。

一樹(いちじゅ)春風(しゅんぷう) 両般(りょうはん)()り、
南枝(なんし)(だん)(むか)い 北枝(ほくし)(かん)




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