第一五則
「雲門倒一說」
雲門禅師の倒一説
【垂示】
垂示云、殺人刀、活人劍、
乃上古之風規、是今時之樞要。
且道、如今那箇是、殺人刀活人劍。
試舉看。
垂示に云く、殺人刀、活人剣は
乃ち上古の風規にして、是れ今時の枢要なり。
且く道え、如今那箇か是れ殺人刀、活人剣。
試みに挙し看ん。
【本則】
舉僧問雲門、不是目前機、
亦非目前事時如何。
門云、倒一說。
挙す。僧、雲門に問う、
「是れ目前の機にあらず、
亦た目前の事にも非ざる時は如何」。
門云く、「倒一説」。
【頌】
倒一說、分一節。
同死同生為君訣。
八萬四千非鳳毛。
三十三人入虎穴。
別別、擾擾怱怱水裏月。
倒一説、分一節。
同死同生、君が為に訣す。
八万四千は鳳毛に非ず。
三十三人、虎穴に入る。
別なり、別なり、
擾擾怱怱たり水裏の月。
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