2020年10月23日金曜日

【総ルビ原文訓読】碧巌録 第13則

 

第一三則

「巴陵銀椀裏」

銀椀裏(ぎんわんり)に雪(ゆき)を盛(も)る

 

【垂示】

垂示云、雲凝大野、遍界不藏。

雪覆蘆花、難分朕迹。

冷處冷如氷雪、細處細如米末。

深深處佛眼難窺、密密處魔外莫測。

舉一明三即且止、坐斷天下人舌頭、作麼生道。

且道是什麼人分上事。試舉看。

 

垂示(すいじ)に云(いわ)く、雲(くも)大野(だいや)に凝(あつま)れば、遍界(へんかい)蔵(かく)れず。雪(ゆき)蘆花(ろか)を覆(おお)えば、朕迹(ちんせき)を分(みわ)け難(がた)し。冷(つめ)たき処(ところ)は氷雪(ひょうせつ)よりも冷(つめ)たく、細(こま)かき処(ところ)は米末(べいまつ)よりも細(こまや)かなり。深深(しんじん)たる処(ところ)は仏眼(ぶつげん)も窺(うかが)い難(がた)く、密密(みつみつ)たる処(ところ)は魔外(まげ)も測(はか)ること莫(な)し。挙一(こいち)明三(みょうさん)は即(すなわ)ち且(しばら)く止(お)く、天下(てんか)の人(ひと)の舌頭(ぜっとう)を坐断(ざだん)して、作麼生(そもさん)か道(い)わん。且(しばら)く道(い)え、是(こ)れ什麼人(いかなるひと)の分上(もちまえ)の事(じ)ぞ。試(こころ)みに挙(こ)し看(み)ん。

 

【本則】

舉僧問巴陵、如何是提婆宗。

巴陵云、銀椀裏盛雪。

 

挙(こ)す。僧(そう)、巴陵(はりょう)に問(と)う、「如何(いか)なるか是(こ)れ提婆宗(だいばしゅう)」。

巴陵(はりょう)云(いわ)く、「銀椀裏(ぎんわんり)に雪(ゆき)を盛(も)る」。

 

【頌】

老新開端的別、解道銀椀裏盛雪。

九十六箇應自知、不知却問天邊月。

提婆宗、提婆宗、赤旛之下起清風。

 

老(ろう)新開(しんかい)、端的(たんてき)に別(べつ)なり、解(よ)くぞ道(い)えり、銀椀裏(ぎんわんり)に雪(ゆき)を盛(も)ると。九十六箇(きゅうじゅうろくっこ)応(まさ)に自知(じち)すべし、知(さと)らずんば却(かえ)って天辺(てんぺん)の月(つき)に問(と)え。提婆宗(だいばしゅう)、提婆宗(だいばしゅう)、赤旛(しゃくばん)の下(もと)清風(せいふう)を起(おこ)す。


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