〜話:升野俊明〜
…
食事も修行の禅僧たち。
修行を始めたばかりの雲水たちは、その「量の少なさ」に空腹を抱えることとなります。
朝は「おかゆ」が一杯、しかも新参者は「ほとんど飯粒が見当たらないような薄い上澄み」をいただくのが習い。おかずはと言えば、ゴマ塩とお新香(香彩)が少々。おかわり(再進)もできますが、薄いおかゆが半分ほどいただけるだけ。
昼は点心。麦を混ぜたご飯と香彩、そして味噌汁のみ。夜は別菜という「おかずらしきもの」がつくとのことですが、それはそれは「質素以下」。
こうした「修行」を繰り返すと、一ヶ月もたたないうちに体重は10kgも20kgも落ち、まるで別人に。
ところが不思議なことに、同じ食事を繰り返していると「空腹感が少しずつなくなってくる」。それは胃袋が縮んでいくからでしょうか。体重も次第に戻ってくるのだとか。
変化は「頭」にも現れます。「冴えてくる」のだそうです。
最小限の食事は、胃腸などの消化器への負担が軽いため、あまった血液がどんどん脳に流れて、頭が冴えてくるとのことです。
なるほど、「腹八分」は健康にも頭にも良かったわけです(八分にも満たぬのかもしれませんが…)。
そんな雲水さんたちの肌は透き通るような白さにもなってゆくと言いますから、美容にも良いのでしょう。
出典:
禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本
0 件のコメント:
コメントを投稿