2019年11月2日土曜日

【ルビ訓読】無門関 No.6 世尊拈花 English


Version 1】ルビ訓読

第六則 世尊(せそん)拈花(ねんげ)

世尊(せそん)(むかし)霊山(りょうぜん)会上(えじょう)()って(はな)(ねん)じて(しゅ)(しめ)す。
()(とき)(しゅ)(みな)黙然(もくねん)たり。
(ただ)迦葉(かしょう)尊者(そんじゃ)のみ 破顔(はがん)微笑(みしょう)す。
世尊(せそん)(いわ)く、
()れに正法(しょうぼう)眼蔵(げんぞう)涅槃(ねはん)妙心(みょうしん)
実相(じっそう)無相(むそう)微妙(みみょう)法門(ほうもん)あり。
不立(ふりゅう)文字(もんじ)教外(きょうげ)別伝(べつでん)
摩訶(まか)迦葉(かしょう)付嘱(ふぞく)す」。

無門(むもん)(いわ)く、
黄面(おうめん)瞿曇(くどん)傍若(ぼうじゃく)無人(ぶじん)
(りょう)(あっ)して(せん)()し、羊頭(ようとう)()けて狗肉(くにく)()る。
(まさ)(おも)へり、多少(たしょう)奇特(きどく)と。
(ただ)当時(そのかみ)大衆(だいしゅ)(すべ)(わら)ふが(ごと)くんば、正法(しょうぼう)眼蔵(げんぞう)作麼生(そもさん)(つた)へん。
()迦葉(かしょう)をして(わら)わざらしめば、正法(しょうぼう)眼蔵(げんぞう)(また)作麼生(そもさん)(つた)へん。
()正法(しょうぼう)眼蔵(げんぞう)伝授(でんじゅ)ありと()はば、黄面(おうめん)老子(ろうし)閭閻(りょえん)誑呼(おうこ)す。
()伝授(でんじゅ)()しと()はば、甚麼(なん)としてか(ひと)迦葉(かしょう)(ゆる)

(じゅ)(いわ)く、
(はな)拈起(ねんぎ)(きた)って、尾巴(びは)(すで)(あらわ)る。
迦葉(かしょう)破顔(はがん)人天(にんでん)()くこと()し。


Version 2】ルビなし

第六則 世尊拈花

世尊、昔、霊山会上に在って花を拈じて衆に示す。
是の時、衆皆黙然たり。
唯迦葉尊者のみ 破顔微笑す。
世尊云く、
「吾に正法眼蔵、涅槃妙心、
実相無相、微妙の法門あり。
不立文字、教外別伝、
摩訶迦葉に付嘱す」。

無門曰く、
黄面の瞿曇、傍若無人、
良を圧して賤と為し、羊頭を懸げて狗肉を売る。
将に謂へり、多少の奇特と。
只当時大衆都て笑ふが如くんば、正法眼蔵作麼生か伝へん。
設し迦葉をして笑わざらしめば、正法眼蔵又作麼生か伝へん。
若し正法眼蔵に伝授ありと道はば、黄面の老子、閭閻を誑呼す。
若し伝授無しと道はば、甚麼としてか独り迦葉に許す。

頌に曰く、
花を拈起し来って、尾巴已に露る。
迦葉破顔、人天措くこと罔し。


Version 3with English

第六則 世尊拈花
Case 6 The Buddha Holds Out a Flower

世尊、昔、霊山会上に在って
When Shakyamuni Buddha was at Mount Grdhrakuta,

花を拈じて衆に示す。
he held out a flower to his listeners.

是の時、衆皆黙然たり。
Everyone was silent.

唯迦葉尊者のみ 破顔微笑す。
Only Mahakashyapa broke into a broad smile.

世尊云く、
The Buddha said,

「吾に正法眼蔵、
“I have the True Dharma Eye,

涅槃妙心、
the Marvelous Mind of Nirvana,

実相無相、
the True Form of the Formless,

微妙の法門あり。
and the Subtle Dharma Gate,

不立文字、
independent of words

教外別伝、
and transmitted beyond doctrine.

摩訶迦葉に付嘱す」。
This I have entrusted to Mahakashyapa.”

無門曰く、
Mumon’s Comment

黄面の瞿曇、傍若無人、
Golden-faced Gautama really disregarded his listeners.

良を圧して賤と為し、
He made the good look bad

羊頭を懸げて狗肉を売る。
and sold dog’s meat labeled as mutton.

将に謂へり、多少の奇特と。
He himself thought it was wonderful.

只当時大衆都て笑ふが如くんば、
If, however, everyone in the audience had laughed,

正法眼蔵作麼生か伝へん。
how could he have transmitted his True Eye?

設し迦葉をして笑わざらしめば、
And again, if Mahakashyapa had not smiled,

正法眼蔵又作麼生か伝へん。
how could the Buddha have transmitted it?

若し正法眼蔵に伝授ありと道はば、
If you say the True Eye of Dharma can be transmitted,

黄面の老子、閭閻を誑呼す。
then the golden-faced old man would be a city slicker who cheats the country bumpkin.

若し伝授無しと道はば、
If you say it cannot be transmitted,

甚麼としてか独り迦葉に許す。
then why did the Buddha approve of Mahakashyapa?

頌に曰く、
Mumon’s Verse

花を拈起し来って、
Holding out a flower,

尾巴已に露る。
The Buddha betrayed his curly tail.

迦葉破顔、人天措くこと罔し。
Heaven and earth were bewildered at Mahakashyapa’s smile.

Version 4Chinese

六 世尊拈花

世尊昔在靈山會上。拈花示眾。是時眾皆默然。惟迦葉尊者破顏微笑。世尊雲。吾有正法眼藏涅槃妙心實相無相微妙法門。不立文字教外別傳。付囑摩訶迦葉。

無門曰
黃面瞿曇傍若無人。壓良為賤。懸羊頭賣狗肉。將謂。多少奇特。只如當時大眾都笑。正法眼藏作么生傳。設使迦葉不笑。正法眼藏又作么生傳。若道正法眼藏有傳授。黃面老子誑呼閭閻。若道無傳授。為甚麼獨許迦葉。

頌曰
拈起花來 尾巴已露
迦葉破顏 人天罔措





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