2019年11月18日月曜日

【原文ルビ訓読】禅林句集 16字 001-010



16字 001-010

1[大灯]
一毛頭上 現宝王刹、
一弾指頭 転大法輪。

一毛頭上に宝王刹を現じ、
一弾指頭に大法輪を転ず。

(いち)毛頭(もうとう)(じょう)宝王刹(ほうおうせつ)(げん)じ、
(いち)弾指(だんじ)(とう)大法輪(だいほうりん)(てん)ず。

2
一仏成道、観見法界
草木国土、悉皆成仏。

一仏成道、観見法界
草木国土、悉皆成仏。

一仏(いちぶつ)成道(じょうどう)観見(かんけん)法界(ほっかい)
草木(そうもく)国土(こくど)悉皆(しっかい)成仏(じょうぶつ)

3[眼目]
一双孤雁、撲地高飛、
一対鴛鴦、池辺独立。

一双の孤雁、地を撲って高く飛び、
一対の鴛鴦、池辺に独立す。

一双(いっそう)孤雁(こがん)()()って(たか)()び、
一対(いっつい)鴛鴦(えんのう)池辺(ちへん)独立(どくりつ)す。

4[碧眼13
雲凝大野 徧界不蔵、
雪覆盧花 難分朕迹。

雲、大野に凝って徧界蔵さず、
雪、盧花を覆って朕迹分ち難し。

(くも)大野(たいや)()って徧界(へんかい)(かく)さず、
(ゆき)盧花(ろか)(おお)って朕迹(ちんせき)(わか)(がた)し。

5[礼記]
鸚鵡能言 不離飛鳥、
猩々能言 不離禽獣。

鸚鵡能く言えども飛鳥を離れず、
猩々能く言えども禽獣を離れず。

鸚鵡(おうむ)()()えども飛鳥(ひちょう)(はな)れず、
猩々(しょうじょう)()()えども禽獣(きんじゅう)(はな)れず。

6[碧眼1
隔山見煙 便知是火、
隔墻見角 便知是牛。

山を隔てて煙を見て
便ち是れ火なることを知り、
墻を隔てて角を見て
便ち是れ牛なることを知る。

(やま)(へだ)てて(けむり)()
便(すなわ)()()なることを()り、
(かき)(へだ)てて(つの)()
便(すなわ)()(うし)なることを()る。

7[詩経]
関々雎鳩 在河之洲、
窈窕淑女 君子好逑。

関々たる雎鳩は河の洲に在り、
窈窕たる淑女は君子の好逑。

関々(かんかん)たる雎鳩(しょきゅう)(かわ)()()り、
窈窕(ようちょう)たる淑女(しゅくじょ)君子(くんし)好逑(こうきゅう)

8[詩経]
求之不得、寤寐思服。
悠哉悠哉、輾転反側。

之を求むれども得ず、寤寐に思服す。
悠なるかな悠なるかな、輾転反側す。

(これ)(もと)むれども()ず、寤寐(ごび)思服(しふく)す。
(ゆう)なるかな(ゆう)なるかな、輾転(てんてん)反側(はんそく)す。

9[虚堂9
漁歌烟浦 咸称富貴、
樵唱雲樹 共楽昇平。

漁は烟浦に歌って咸 富貴と称し、
樵は雲樹に唱えて共に昇平を楽しむ。

(ぎょ)烟浦(えんぽ)(うた)って(みな) 富貴(ふうき)(しょう)し、
(しょう)雲樹(うんじゅ)(とな)えて(とも)昇平(しょうへい)(たの)しむ。

10[虚堂1
堯風蕩々 野老謳歌、
舜日熙々 漁人鼓棹。

堯風蕩々として野老謳歌し、
舜日熙々として漁人棹を鼓す。

(ぎょう)(ふう)蕩々(とうとう)として野老(やろう)謳歌(おうか)し、
(しゅん)(じつ)熙々(きき)として漁人(ぎょじん)(さお)()す。



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