2021年3月26日金曜日

一息とは?

 

from:

小川忠太郎『百回稽古』



【一息】


仏が、ある人に


「人の命はどのくらいの長さか」


と聞くと、その人は


「数日の間」


と答えた。すると仏は


「あなたはまだまだ道を知らない」と。


別の人が同じ質問に


「飯食の間」


と答えると、仏はやはり


「あなたもまだ道を知らない」と。


そこでもう一人が


「呼吸の間なり」


と答えると、仏は


「あなたは道を知っている」と。


人の命は、吸う息、吐く息、この一息。


この一息の中に雑念を交えない。座禅でもこの一息に徹することが秘訣である。この一息に徹すれば、一息は同時に無限であり、将来につながっていく。


正受(しょうじゅ)老人はこの一息を一日暮らしの説で


「一大事と申すは今日只今の心なり」


と言っている。





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