2021年3月26日金曜日

【宋名臣言行録】「貧をもって宝となす」王質

 

from:

『宋名臣言行録』王質


公、相門に在りて驕(おご)らず華やかならず、貧をもって宝となす。


公在相門、而弗矯、弗華、以貧為宝、


文正舎人(しゃじん)たりし時、家はなはだ虚なり。


文正作舎人時、家甚虚、


つねに人に金を貸り、もって昆弟を贍(たらわ)す。


嘗貸人金、以贍昆弟、


期を過ぎて入らざれば、乗るところの馬を輟(てっ)してもってこれを償(つぐな)う。


過期不入、輟所乗馬、以償之、


公、家蔵の書を閲するによりてその券を得、家人を召してこれに示して日く、


公因閲家蔵書、而得其券、召家人、示之日、


「これ前人の清風なり。われらが輩、まさに奉じて墜ざるべし。よろしくこれを秘蔵すべし」と。


此前人清風、吾輩当奉而不墜、宜秘蔵之、


また顔魯公尚書たりし時、米を李大夫に乞いし墨帖(ぼくじょう)を得て、石に刻してもってこれを摸し、逼く親と友の間に遺る。


又得顔魯公為尚書時、乞米干李大夫墨帖、刻石、以摸之、遍遺親友間、


その雅尚かくのごとし。ゆえに終身貧ならざるに、至る所氷蘗の声あり。


其雅尚如此、故終身不貧、所至有氷蘗声。



0 件のコメント:

コメントを投稿