2020年10月22日木曜日

【総ルビ原文訓読】碧巌録 第19則

 

第一九則

「倶胝指頭禅」

 

【垂示】

垂示(すいじ)(いわ)く、一塵(いちじん)(あが)って大地(だいち)(おさ)まり、一花(いっか)(ひら)いて世界(せかい)(おこ)る。()(ちり)(いま)(あが)らず(はな)(いま)(ひら)かざる(とき)(ごと)きは、如何(いかに)(まなこ)()けん。所以(ゆえ)()う。「一綟絲(いちれいし)()るが(ごと)し、一斬(いちざん)すれば一切斬(いっさいざん)一綟絲(いちれいし)()むるが(ごと)し、一染(いっせん)すれば一切(いっさい)(せん)」と。()如今(いま)便(すなわ)葛藤(かっとう)截断(せつだん)して、自己(じこ)家珍(かちん)運出(うんしゅつ)せば、高低(こうてい)(あまね)(おう)じ、前後(ぜんご)(たが)うこと()く、各各(おのおの)現成(げんじょう)せん。儻或(もし)(いま)(しか)らずんば、下文(かぶん)看取()

 

【本則】

()す。俱胝(ぐてい)和尚(おしょう)(およ)所問(しょもん)あれば、()一指(いっし)()つ。

 

【頌】

対揚(たいよう)(ふか)(あい)(ろう)俱胝(ぐてい)宇宙(うちゅう)(くう)()たって(さら)(たれ)()る。(かつ)滄溟(うみ)浮木(ふぼく)(おろ)して、夜濤(やとう)(あい)(とも)盲亀(もうき)(せっ)す。


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